しっかり伝えてるつもりが、伝えたいことがうまく伝わらない。
相手に語り掛けても、次のアクションにつなげることができない。
など話し方や伝え方に関する悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
本記事では、 矢沢 大輔 さんの記憶術に関する著書『稼げる記憶術』の内容をもとに、記憶術を活用した相手に伝わる伝え方についてご紹介します。
相手に自分の考えを伝える、そして相手にアクションを起こしてもらうという機会は、日常生活の中で多くあります。
本記事の内容をもとに相手への伝え方を工夫すれば、日常生活の様々な場面で恩恵を受けられるかと思います。
相手に伝わる話し方【記憶術を活用した伝え方】
今回のご紹介する伝え方で用いる方法は記憶力を活用したものの伝え方です。
まずは、今回の記事で出てくる記憶力に関する基本的な知識とその知識を伝え方に活かす方法を紹介します。
記憶力が良い、悪いなどとよく言われますが、記憶力の違いは、 基本的に 以下の二つの違いで生まれている言われています。
- 記憶対象に対する興味関心
- 記憶の仕方
記憶対象に対する興味関心
自分の好きなゲームや芸能人に関する情報は簡単に覚えられるけど、あまり好きでない勉強や視界に入ってくる景色などはすぐに忘れてしまうといった経験は、皆さんお持ちだと思います。
これは、人間の脳が、興味のある物事は覚えやすく、興味のない物事はすぐに忘れてしまうようにできているからです。
目や耳に入ってくるすべての情報を脳が記憶していたら、脳がパンクしてしまいますもんね。
自分が何かを覚える立場でこの事実について考えたことのある人は多いかと思います。
しかし、自分が何かを伝える立場でこの事実について考える機会は少ないのではないかと思います。
相手に何かを伝え、その内容を覚えてほしい、次のアクションに移してほしいと思ったら、 自分が伝えた内容を相手に理解して、覚えてもらわなければいけません。
そのために、記憶の興味関心に関する観点からアプローチするなら、自分が伝えたい方法で伝えるのではなく、相手が興味を持ってくれるような伝え方で伝えることが有効と言えます。
記憶の仕方
記憶対象に対する興味関心だけで記憶のしやすさが決まっているかと聞かれるとそんなわけではありません。
例えば、友人同士でお互いあまり好きではない科目の勉強をしてたとします。
同じように興味のない科目に対して、同じ時間だけ勉強していたとしても、最終的に覚えている内容には差が生まれてきますよね。
また、勉強の得意な人が、勉強に対する興味関心が必ず強いかと聞かれるとそうでもないかと思います。
こういった記憶力の違いは、記憶の仕方の上手さで生まれています。
自分が何かを記憶するときでも記憶の仕方が重要になる以上、相手に何かを伝えて覚えてもらう場合でも、相手の記憶に残りやすい伝え方で伝えたほうが良いことは明白です。
実践的な記憶術を活用した伝え方
興味関心の観点と記憶の仕方の観点に着目した実践的な伝え方についてご紹介します。
- ストーリー記憶術を活用した伝え方
- 記憶の仕方を工夫した伝え方
ストーリー記憶術を活用した伝え方
ストーリー記憶術を活用した伝え方は、相手が欲しい情報を順番に出し、相手の興味をつないで、アクションにつなげる方法です。
プレゼンなどのビジネスシーンで使いやすい方法です。
具体的には、以下のような順に話題を進めます。
- 現状の課題(相手が抱える課題を説明する)
- 提案内容(聞き手は課題に対する解決策を欲するため、それを提案する)
- 具体案(聞き手は具体的な方法を欲するので、具体的な方法を提示する)
- 未来像(聞き手は具体案で何がどう解決されるのか気になるため、それを提示する)
- 実行方法(聞き手は実際に具体案を実施できるのか気になるため、それを提示する)
聞き手が抱えている課題で相手の興味関心をひき、提案、具体案、未来像、実行方法と順に前のフェーズで生じる興味関心を順に満たしながら話を進めていく方法です。
プレゼンをするときには、特に意識しなくてもこの流れで話すことにはなると思いますが、流れを意識することで、より相手に伝わるようになります。
記憶の仕方を工夫した伝え方
チャンクアップ
チャンクは、自分の持つ既存の記憶の単位です。
そして、チャンクアップは、既存の知識を組み合わせることで新しい知識を記憶する記憶術です。
人間の脳は、新しい知識を新しいものとして記憶するよりも、既存の知識の組み合わせで覚えるチャンクアップを利用した方が記憶しやすいようにできています。
このチャンクアップによる記憶術を伝え方に応用するためには、比喩を用いるのが良いです。
新しい考え方や物事を説明するときには、比喩で既存の知識と関連付けて説明すると、チャンクアップにより、相手の記憶に残りやすいです。
情報の整理
情報は整理されている方が記憶しやすいです。
情報を整理する方法は以下のようなものがあります。
- グループ化
- 階層化
- 順序化
- 図解化、図表化
情報を整理する際に注意した方が良い点は、整理の観点を7つ以下に絞ることです。
人間は、7つ以上のものを一度に覚えることができないと言われています。
グループ化や順序化で7つ以上になってしまう場合には、大カテゴリとその中の小カテゴリといった形で階層化して伝えると良いです。
まとめ
- 興味関心のあることは記憶しやすい
- 記憶力を向上させる記憶術は存在する
- これらの記憶に関する特性を利用すると、自分が何かを記憶するときだけでなく、相手に何かを伝える際にも活用すると良い
『 稼げる記憶術』では、ほかにも色々な記憶術とその記憶術を伝え方に活かす方法が紹介されています。
興味を持たれた方は、ぜひご覧になってください。
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